現代日本記録全集

2007年1月5日
現代日本記録全集 全25巻 筑摩書房 1970年発行

近所の、古い小学校を利用した、古い図書館で見つけた、古い全集。
昔の人の書いた昔の文章を、1970年に集めて、本にしたもの。
大体、1970年だって、もう昔なのだから、こういう古い図書館ででもなければ、中々見つけられないと思う。

そのうち、10巻の「明治の女性」と、14巻の「生活の記録」をざっと読んだ。

「明治の女性」には、向学心に燃え、女学校に通うことになった娘の手記や、富岡製糸場で働くこととなった娘の手記、など。

「生活の記録」には、

最暗黒の東京、
日本の下層社会、
何が私をこうさせたか、

の三作品が含まれる。

最暗黒の東京は、明治20年代、ある新聞記者が、都会の貧困の実情について知ろうと思い、みずから飛び込んで、経験し、取材した手記。
昔から、皆、同じことを考えていたんだなぁと思う。

どの作品も考えさせられることが多く、特に女性の作者の、口語体で書かれたものは、引き入られるように面白いものもあって、とても良かった。

今は貧乏といっても、残飯屋から食料を買って食べたり、文字通り「着たきり雀」だったり、ボロボロの布団1組に、数人で寝たり、そんなことは無いのだから、そういう意味では、進歩したのだと思う。
でも、代わりに、どこか他の国の人々が負っているとしたら、同じか・・・

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