ISBN:4560041830 単行本 ロビン ギル 白水社 ¥2,205

図書館から借りてきて読んでるんだけど、難しい。とことん難しい。

ある一冊の翻訳本(英語→日本語)をネタに、徹頭徹尾、いかにこの本が誤訳だらけかをあげつらっているのだけれど、(って、いいのか?)、日本語で書かれている部分も、英語の部分も、そして誤訳と正しい訳とが並べられているのを見ても、何かねー。馬鹿なもので、分りません。

1987年の初版だから、結構古い本。
そういえば、どっかで聞いたことがあったかも、この本。有名?
それにしても、作者は怒涛の日本語力。すごいなぁと思う。

思うに、翻訳って、そもそも文章を理解していないと出来ないから。
そういう意味では、英語はもとより、日本語だって、下手すると出来ていない。
誰かの発言、誰かの文章。
何言っているんだか、よく理解できないことも多い。
こういうのを、たとえば、英語に訳せ、って言われても分らないから、ましてや英語から日本語だと、大変だよね。

結構好きな、谷川俊太郎の悪口も書いてあって、ちょっと凹む。
彼の訳したマザーグースも、誤訳が多いのだそう。

Peter, Peter

Peter, Peter, pumpkin eater,
Had a wife and couldn’t keep her ;
He put her in a pumpkin shell,
And there he kept her very well.

谷川の訳は、

ピーター ピーター かぼちゃがだいすき
けっこんしたけど おくさんにげた
かぼちゃくりぬき おうちをたてて
うまくなだめて ちやほやおもり

なのだけれど、couldn’t keep her は、「逃げられた」ではなく、「ちゃんと面倒をみることができない」で、keep her very well は、「優雅に養った」なのだそう。
つまり、ようするに、「夫と妻の戦い、というより、貧乏神との戦い、と見るべき」とのこと。
なるほどね。

でも、マザーグースは、やっぱり原文で読まないと。
日本語に訳するのは無理かも。

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