ISBN:4560027358 単行本 岸本 佐知子 白水社 2005/10 ¥1,995

一冊の本の中に51もの短編が収められている。とても短いお話しばかり。
最初のひとつを読んでみて、さて、どうしたものか、と思う。
とても不思議な味わい。出来れば、やはり原書で読むべき?

で、今、訳者をチェック。
岸本佐和子。
とりあえず、女性だし。1960年生まれ。若い。
あ。このあいだ読んだ「オレンジだけが果物じゃない」の翻訳者だ。
読んでみようかな。

「十三人めの女」

十二人の女が住む街に、十三人めの女がいた。誰も彼女の存在を認めようとしなかった。手紙は彼女に届けられず、誰も彼女のことを語らず、誰も彼女のことを訊ねず、誰も彼女にパンを売らず、誰も彼女から物を買わず、誰も彼女と目を合わさず、誰も彼女の扉を叩かなかった。雨は彼女の上に降らず、・・・・・・・・・

最初の作品、「十三人めの女」は、こんな感じで始まる、わずか7行と2文字の超小品です。
他もみな、とても短い。
タイトルを書き出してみると、

ほとんど記憶のない女
フーコーと鉛筆
二度目のチャンス
ヒマラヤ杉
大学教師


などなど。
やっぱり読んでみよう。

あ、あともうひとつ。
私小説風の一編に登場する、当時のパートナーが、ポール・オースターのことなのだそうです。書評によれば。

コメント

Suica
Suica
2007年5月21日1:51

あ、面白そうですね。私はさっぱり本を読まなくなっちゃったんですがこれは惹かれます。オースターは奥様も作家でやっぱり「書く人」が好きなんでしょうか(笑)

椿美
渡辺椿美
2007年5月21日9:58

オースターが出てくる作品は少し長めで、読むのが楽しみです☆
これだけ短い作品だと、小説というよりは、音楽を聞いたような印象・・・