きもの365日

2007年6月25日 読書
ISBN:4087477002 文庫 群 ようこ 集英社 2004/05 ¥880

この本を書くために、基本的に、一年365日、着物で過ごした群ようこのエッセイ。カラーのイラスト、写真なども豊富で、中身が濃い。

それにしても、私は、名古屋帯、袋帯、半幅帯、袷、単衣、うそつきぐらいは分かるにしても、着物に関してはあまりに知らないことが多すぎる。

今の私達が、洋服に関して様々に知っているのと同様、当然ながら、昔の人も日常着の着物に関して、色々知っていたわけで、日本人なのだから、やっぱり押さえておきたいなぁと思う。他所の国のエスニックなんか着る前に。
こういう風に、興味が”日本”に向くのも、英語とか勉強している副産物かも。

下の本は、群ようこが読んだら、おそらく喜びそうなもの。
昔は、着物といったら、基本的に古着だったようで、そのことに関して、かなり細かくというよりオタッキーに書いてある。本当に、この分野の学問が好きで好きでたまらない、みたいな作者の思いが伝わってきて、こういう本は、総て理解出来ないにしろ、楽しい。

袷の着物と単衣の着物を2つ、持っていたわけでなく、秋になったら裏地を縫いつけ袷にし、夏になったら裏地を取って単衣にする・・・昔の庶民はそういうことをしていたのだそう。夏用・冬用の着物を両方、いくつも持つ余裕など、なかったみたいだ。

それにしても、そういう観点からすると、今の私達は随分豊かになったはずなのに、未だ貧困意識がなくならないのは、どういうわけだろう? 個人的に幸福になるためのハウツー本はたくさん出版されているけれど、人間全体として幸せになるための方法論というのを考えるのもよいかもしれない。

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