”学校では教えてくれなかった算数”
ローレンス・ポッター著
谷川漣
草思社

算数の歴史、ちょっとしたエピソード、コツ、そして楽しい例題が散りばめられた楽しい本。

ちょうど一人の人間が、子供から大人へ成長して学んでいくように、人類も少しずつ進化していったんだな、ということが分かる。
数ひとつ数えるのだって、最初の頃は試行錯誤だったのだと思う。
10進法という概念がなければ、ひとつひとつ数え上げ、総ての数に名前を与えなければならないし。

そして、いったん概念が発明され、当たり前になり、苦無く使いこなせるようになると、更に次の段階へ進む。
新しい会社で、段々とマニュアルが作られて行くのに似ているのかな。

作者はスーパーマーケットの外に立って、いろいろな人たちに声をかけ、暗算の問題を解いてもらったりもしている。


ほとんどの人は暗算で足し算や引き算をするとき、紙の上と同じやりかたをしていた。76+22という計算なら、2と6を足して8、それと7と2を足して9、というぐあいに、98という正解にたどりつく。同じように、76-24を計算するときは、6から4を引き、そして7から2を引いて、52という正しい答えを出すのだ。


これ、日本人なら、こんなやり方をする人はいないと思う。
日本人は天才は生まれにくいけれど、秀才はたくさんいるな、と思った。

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