ワイド版。
文庫がそのままふたまわりぐらい大きくなった感じ。
文字は大きいけれど、表紙と裏表紙の柔らかさは文庫と変わらないので、手に持った感じが良い。
読みやすい。

寺田寅彦のエッセーは随分若い頃読んだ。

この人は、もともとは理系の人。でも文系でもある。
池澤夏樹なんかもそうだけれど、こういう両方の感性を持った人の思考というのは、読んでいてすごく快適。私には合う。文系オンリーの人のものはやはり重たいから。
理系オンリーだと深みに欠ける感じ。

百年近く前の作品だけれど。
都会に住む人々の日常生活というのは今と全然変わらない。
本当に。

コメント

moco
moco
2015年3月1日15:56

ああ、なるほど!理系なのに文系というのが魅力なんですね。私は寺田寅彦の科学的視点に魅力があるのだと思ってましたから。
そう言えば情緒的な部分に対する理解もあるのに、文章は整っているというか、わりと冷静な印象を受けます。椿美さんが寺田寅彦を気に入っているというので、勝手に親近感を持ってしまいました☆

椿美
2015年3月2日21:20

大昔に確か「マジョリカ焼き」という作品を読んで感銘を受けたのですが、記憶があやふや。検索をかけてみたら「まじょりか皿」という作品名で明治42年の発表でした。便利な世の中になったものですね。

今、随筆集を読みながら思ったのですが、昔の人の文章というのは一文が長いですね^^; 短くて簡単な現代文に慣れているので最初はちょっと大変。でも慣れると読み応えがあります。こちらこそmocoさんの書評、いつも楽しみにしています☆